「ねずみ小僧 次郎吉」・・・③

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  「ねずみ小僧 次郎吉」・・・③

  大泥棒の鼠小僧次郎吉 被害リスト(41大名の7000万円分)/石川県七尾市


 江戸時代後期の大泥棒で「義賊」として芝居や小説などにたびたび登場する鼠小僧次郎吉に金を盗まれた江戸の大名屋敷の「被害リスト」を記した珍しい文書が、石川県七尾市内の旧家かから発見された。同市の市史編さん室が、同市庵町の高橋家の蔵に保存されていた古文書の中から見つけた。文書に記されているのは全国の大名四十一家で、被害総額は二千百両三分、米価を基準に現在の通貨に換算すると約七千万円に上る。「ねずみ小僧 次郎吉」・・・③


 縦十六センチ、横九十四センチの和紙に「鼠小僧処々江入込盗賊仕金高・御大名御名前附之覚」と題され、被害額と大名の名前が個条書にされている。ところどころ虫食いの穴があるものの、ほとんど判読が可能。

 文章の末尾には、矢田村(現在の七尾市矢田町)の製材業者が江戸に出た際に写し取って来たものを、高橋家の祖先にあたる人物がさらに写した経緯が記されており、天保三年の鼠小僧の処刑前後に、江戸市中で発行されたかわら版が原本とみられる。
 市史編さん室の和田学・学芸員は「鼠小僧の供述から報道されたものを写してきたのではないか。江戸から能登にまで情報が伝わる流れが分かることでも、非常に面白い資料だ」と話している。

 
 江戸から遠く離れた能登半島中央部の石川県七尾市でみつかった鼠小僧による被害を記した今回の文書は、江戸での大泥棒の犯行を克明に伝えている。

 
鼠小僧は生涯に武家屋敷九十九ヶ所に百二十回盗みに入り、計金三千百両余りなどを盗んだとされており、今回の文書でわかるのはその半分ほど。最も被害の多かったのは岐阜の大垣藩で四百両。現在の約千四百万円を一度に盗まれている。
浜松の水野越前守忠邦の屋敷では三十両が盗まれた。何度も被害にあっている大名も多く。二度以上は四十一家中十二家。
中でも佐賀藩の鍋島家には五回も忍び込み、六十から十両づつ計百七十六両(約六百十六万円)を盗んでいる。


文・1997年中日新聞
提供・坂井伸悟(犀ヶ崖資料館)

※画像=石川県七尾市の旧家でみつかった鼠小僧の「被害リスト」を記した文書











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