十二金の由来について

カテゴリー │おとなの弓日/流派弓術の継承


「おとなの弓日」
~流派弓術の継承~
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▶️白鳥神社垣野弓道場落成記念奉納額について 
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「十二金の由来について」
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 古代の中国に於いて国家の重要な式典で、式場に皇帝の入退場するときに演奏される中和韶楽を奏でる、編鐘で、金・石・糸・竹・瓢箪・土・皮・木・によって作られた、八種類の「八音」と呼ばれる楽器と詠唱者によって、奏させられたと伝わっています。
 編鐘は、その内の金に相当する楽器で十六個の鐘からなっていて、

倍征則(ばいいそく)、
倍南呂(ばいなんりょ)、
倍無射(ばいぶえき)、
倍応鐘(ばいおうしょう)、
黄鐘(こうしょう)、
大呂(たいりょう)、
大簇(たいそう)、
夾鐘(きょうしょう)、
姑洗(こせん)、
仲呂(ちゅうりょう)、
蕤賓(ずいひん)、
林鐘(りんしょう)、
夷則(いそく)、
南呂(なんりょう)、
無射(ぶえき)、
応鐘(おうしょう)

と定められ、黄鐘は十二音階のEに似た音で、この音階は現在でも和楽器には用いられている様子です。
 劉向説苑と云う中国の古書の十九巻修文19の中に「黄帝、伶倫に詔し音律を作らしむ」とあります。伶倫は崑崙の下にある嶰谷(カイコク)で竹を取り、両節の間を取って、長さ九寸の笛を十二管作り鳳の鳴き声を元に十二音律に分けて、

大簇:正月 
夾鐘:二月
姑洗:三月
仲呂:四月
蕤賓:五月
林鐘:六月
夷則:七月
南呂:八月
無射:九月
応鐘:十月
黄鐘:十一月
大呂:十二月

と定めて各々月の音色としました。
其の音色は、「微にして均鮮全てを傷つけず」と云われ、其の笛の音色の徳は、「大聖の徳を象るに、もって至賢の功を明らかにすべし、故に之を宗廟に薦し、歌をもってこう得を迎え、世々忘れず」又、「天地の風気十二律を正す也」」と書かれています。
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以上のような事柄から金的を十二個懸けて、各々名前を付けつけて、徳を祈願したものと思われます。
美濃の東美濃や三河地方では、古来より、お祝い事があると十二金を引き、的中者には額にして奉納するしきたりが、伝統行事として行われています。掲額は神社仏閣によく見受けられます。
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徳田雅彦 記す
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※ 資料提出 藤本きみよさんより
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中和韶楽
https://japan.visitbeijing.com.cn/article/47iAcm6KO3Y
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劉向説苑
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000327254
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